「ペニスから血が出た」――そんな状況に直面したとき、多くの人は不安や戸惑いを感じるでしょう。
この症状は、実際にはさまざまな原因が考えられます。
血が尿と一緒に出てきたのか、それとも皮膚からにじんでいるのか。症状の見分け方と原因、それぞれの対処法について詳しく解説します。
血が尿に混じっている場合(血尿)
ペニスからの出血の中でもっとも多く見られるのが、「血尿」です。
これは尿そのものに血液が混ざって赤くなった状態であり、尿路系のトラブルが原因であることが多いです。
代表的な原因と特徴
1. 尿路感染症(膀胱炎・尿道炎)
- 原因:細菌感染が主。性行為、不衛生な手指、免疫の低下などで発症しやすくなります。
- 症状:排尿時の痛み、尿の濁り、頻尿、尿のにごりや血混じり尿
- 対処法:泌尿器科での尿検査が必要です。抗菌薬による治療で多くは改善します。
2. 尿道結石・腎結石
- 原因:体内でできた石が尿路を傷つけ、出血することがあります。
- 症状:血尿のほか、突然の腰痛や腹痛、吐き気などを伴うことも
- 対処法:超音波検査やCTによる診断。自然排出を待つ場合と、医療的処置が必要な場合があります。
3. 前立腺の病気(前立腺炎、前立腺肥大、がんなど)
- 原因:加齢やホルモンバランスの乱れ、慢性的な炎症
- 症状:残尿感、排尿困難、血尿、血精液、会陰部の違和感
- 対処法:血液検査や前立腺の触診・画像検査を行い、必要に応じて薬物療法や経過観察が行われます。
4. 外傷による出血
- 性行為中の摩擦や打撲、事故などで尿道や膀胱に損傷が起きた場合も、血尿として現れます。
尿に血はない?皮膚から出血している場合
ペニスからの出血で意外に多いのが、「皮膚表面からの出血」です。
見た目では尿に混ざっているか皮膚からにじんでいるのか判断しづらいこともあり、見過ごされがちですが、こちらも注意が必要です。
皮膚から出血する主な原因
1. 摩擦や裂傷
- 性行為やマスターベーション時の摩擦により、包皮や亀頭が裂けることがあります。
- 特に乾燥していたり、皮膚が薄い部分に負担がかかると出血しやすくなります。
2. 包皮炎・亀頭炎
- 皮膚に細菌や真菌(カビ)が感染し、炎症を起こすことで出血を伴うことがあります。
- かゆみ、腫れ、発赤、ただれを伴うことが多いです。
3. 尖圭コンジローマ・性器ヘルペス
- 性感染症によって、皮膚に小さなできものや潰瘍ができ、それが破れて出血することがあります。
- 痛みや違和感、繰り返す症状が特徴です。
4. 粉瘤(アテローム)や皮膚腫瘍の破裂
- 小さな皮下腫瘍が破裂すると、一時的に出血や膿が出ることもあります。良性のことが多いですが、まれに悪性のケースもあるため注意が必要です。
自宅でできる対処法はある?
軽い擦り傷や明らかな裂傷で、出血が少量で自然に止まっている場合は、以下のようなケアを行って様子を見てもよいでしょう。
- 傷口をぬるま湯でやさしく洗浄(石鹸は使いすぎない)
- 清潔なタオルで水分をしっかり取る
- 締めつけの少ない下着を選ぶ
- 数日間、刺激(性行為・マスターベーション)は避ける
しかしながら、出血が長引く・繰り返す・痛みや腫れがある場合は、必ず医師の診察を受けてください。
受診の目安
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします:
- 尿が明らかに赤い/ピンク色になっている
- 出血が止まらない・何度も繰り返す
- 排尿時に強い痛みや灼熱感がある
- ペニスの皮膚にしこり・ただれ・発疹がある
- 性行為後から症状が出た
- 特に思い当たる原因がないまま自然に出血が起きた
まとめ
「ペニスからの出血」といっても、その原因は尿路にある場合と皮膚にある場合に分かれます。
いずれにせよ、体が何らかの異常を知らせているサインであることに変わりはありません。
見て見ぬふりをして放置すると、症状が悪化する可能性もあります。
「ちょっと恥ずかしい」「病院に行くほどじゃないかも」と思ってしまいがちですが、泌尿器科や皮膚科の医師は日常的にこのような症状を診ているため、気負わず相談してみてください。
自分の体を守るためにも、迷ったときは、遠慮せず受診を。
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